人生は判断の連続、自分でビジネスを始める「起業家」ならなおさらです。
なかなか判断がつかないこともあります。
「自信がない」こともあるし、
「ラッキーな話なんだけど…どうしよう」なんて場面もあるかもしれません。
しかし経営者は決めなければなりません。
そんなとき、どう判断するか?
ママ起業家総研 主任研究員の富田剛史です。
偉人や成功者の物語りでは、よく「常に困難な方を選べ」などといいますね。
その方が、リスクが高く、逆に人はやらない可能性が高く、
リスクが高いぶんリターンも高く、もしも失敗しても自分の成長も大きい…
まぁそれは一理あります。
でも、男性発想ですよね。しかも能力や根性があるひと。
成功者の言葉しか残らぬのが歴史の常ですから、みんなうまくいくわけではありません。
稲盛和夫さんの名言と、ママ起業家にとっての違和感
ちなみにあの経営の神様、稲盛和夫さんは経営判断に迷ったときいつもこう自問するといいます。
「動機、善なりや?」
「私心、なかりしか?」
この二つはセットで、
稲盛さんの「盛和塾」の根源といえる有名な言葉です。
稲盛さんが第二電電を創業するときに、特に何度も自問したということで、まさにその第二電電の創業期に新卒で入った富田は、何度も生でこの言葉を聴かされました。
「動機、善なりや?」
「私心、なかりしか?」
ほんと、大きな仕事をしようという大志を抱く人にはまさに金言至言、
とても大切な問いかけだと思います。
しかし、「ママ起業家」にとっては、それ、どうなのかとも思うわけです。
「動機、善なりや?」・・・これはまぁいいでしょ。
ママ起業家には、あんまり悪どい動機の人はまずみかけません。
「私心、なかりしか?」・・・問題はこちらの方です。
これが、あなたの事業は社会のためになると真剣に考えているか?という意味なら、そう考える必要は特にないのではないかと思うのです。それより「私心:自分自身の心が楽しめるか?」・・・でいいんのではないかと。
この「違い」は、電通鬼十則のときとも共通していて、いい悪いではなく男性と女性の考え方の違いなのだろうなと感じます。
ママ起業家総研オススメの迷ったときの魔法の言葉とは
そこで私がママ起業家にオススメする、迷ったときの判断基準はこうです。
「仮にお金にならなくても、自分はそれをしたいのか?」
もちろん、ママ起業家に限りません。
あのスティーブ・ジョブズは、
「もし今日が最後の1日でも自分はそれをするだろうか?」
と考えていたといいます。
これは明らかに、お金のためではありませんね。
今日が最後なのでお金は意味がない。
もちろん、お金を稼ぐのは事業の基本。それをないがしろにといっているのではありません。
ただ、判断に迷ったときには、一度リアルにこう考えてみるのです。
「仮にお金にならなくても、自分はそれをしたいと思うか?」
私心、大いに結構です。
「お金を得る」のが仕事の本質ではありません。仕事とは「価値を生み出す」ことなのです。
「社会の役に立つ」から子供を生むのではありません。
ましてや「将来お金を稼いでくれるように」と子供を作るのではありません。
誰かが好きになったから、子供が欲しくなるのでしょう。
その子供が幸せになって欲しいから、いい教育も受けさせたいのでしょう。
あ、そうそう、子供の話ではなく「事業」の話です。
しかし、ママ起業家にとっての「事業」「仕事」は、子供を生み育てるのに似ているとママ大では考えます。
だから、「もしもお金にならなくても、その仕事をしたいのか?」の問いかけで、自分がどのくらいその事業を好きなのか、辛くても愛していけるのかが分かるのではないかと思うのです。
「お金にぜんぜんならなかったら続けていけないじゃないか」
その通りです。
なので、続けていけるように、お金の稼ぎ方のノウハウは絶対必要。
でも、順番をまちがってはいけません。
(文責:富田剛史)