自分だけのオリジナルビジネスの見つけ方とは?

日本の家庭を”えいごのおうち”に

ママ大14期生で、子ども向け英語教室「Buzzkids Englishclub えいごのおうち」を主宰されている、ちひろ わたなべ先生

この3月で4年目を迎えたというBuzzkids Englishclubは、ちひろ先生ならではの魅力が活かされた、まさに彼女にしか創り出せない場所!星の数ほどあるとも言える子ども向け英語教室の中でも、特に個性が際立つ存在だと感じます。

1歳から3歳の子どもを英語環境で預かる「えいご託児Daycare」や、未就学児や小学生向けに実験やディベートなども織り交ぜながら楽しく英語を学ぶ「After School」の他、親子主体で英語に親しむ「おうち英語」のコンサルティングやサポート、そして世界で活躍する方々をゲストに招いたり海外と直接オンラインで繋がったりしながら視野を広げる体験を提供する「オンライン学童」など、ご自身ならではのアイデアと今の時代ならではのツールも組み合わせつつ、子ども達のグローバルな感覚を育てることを目標に様々な活動をされています。

お教室でのひと月のカリキュラムも、英語を使って1週目は世界について、2週目は実験などを通して科学の楽しさを、そして3週目はディベートで自分の意見を英語で伝えることを学び、最終週はプレゼンテーションで英語で伝える楽しさを学ぶなど、大人も参加したくなるような興味深い内容!

ビジネスは子育てと同じだと実感

なぜそんなふうにオリジナルビジネスを生み出せたのか尋ねると、「ママ大に入り、それまでむしろコンプレックスに思っていた部分の中にも自分ならではの良さがある、と気づけたことが大きい」という答えが返ってきました。

それまでも女性起業家のコミュニティなどに参加しご自身のビジネスについて試行錯誤を繰り返していたというちひろ先生ですが、自分の足りない部分にばかり目が向いていたという当時は、自分の仕事に自信が持てず、たくさんの情報が溢れる中で混乱してばかりだったそう。

そんな中でまずハッとさせられたのが、ママ大の「仕事も家族もどっちもだいじ!」というコンセプトでした。

「授業を受ける中で、ビジネスって本当に子育てと一緒なんだと腑に落ちました。
 子育ても、例えば隣の家庭がすごく良い子育てしてるように見えたりSNSの影響を受けたりして、こんなママみたいにならなきゃ、こんな子育てしなきゃと、外からの情報に影響を受け無理してしまう時ってあると思いますが、子育ても自分のビジネスも正解は外にはなく、自分で見つけなければいけない。

 私はママでもあり、仕事も精一杯がんばりながらも自分なりに納得いく形で家族も大事にしたい。そう考える自分のままで、自分なりのビジネスを育てていけばいいんだと信じられるようになりました

自分の良さを素直に伝えてくれる、日本ママ起業家大学(通称:「ママ大」)学長の近藤洋子さんやプロデューサーの富田剛史さん、そして共に学ぶ同期の存在も大きかったと話します。

「先生×シンガー」?!自分の「資産」を見つけ、掛け合わせる 

ママ大で学んだ期間中に印象的だった出来事のひとつが、それまでは半ば隠していたというシンガーとしての一面をひき出してもらえたこと。
ずっと歌を続けているちひろ先生はシンガーとしての顔も持ち、時にイベントなどで歌うこともあるそうです。

「私の中ではずっと、歌と『英語の先生』という仕事は全くの別のものだと分けて考えていました。歌う場所はやはりバーなどお酒が出るような場所が多く時間帯も夜、対象者は大人で、何もかもが『子ども向けの英語教室』とは正反対。もちろんレッスンで子ども達に話したこともなければ、SNSなどにも載せていなかったので、洋子さんに聞かれなかったら授業でも話さなかったかもしれないくらい、裏の自分という意識がありました(笑)

 これまで自分の固定概念で仕事とは関係ないと思い込んでいたことの中にこそ、自分らしさの大きなヒントがある。自分はどういう人間でどんな経験をしてきたのか…ママ大は、そういう『自分の今に至るまで』を引き出してくれるのが本当に上手だと感じます」

洋子さんは、オリジナルなビジネスを生み出すためは『自分の資産』をどう掛け合わせるかがとても重要だと考えており、ママ大の授業の中でも、その方自身について深く掘り下げていく時間を大切にしています。

『自分の資産』というのは例えば仕事のスキルや実績、資格のようなものだけではなく、キャラクターや志向など『その人ならでは』の要素です。様々な方が来てくださるママ大ですが、入学した時点では例えば『お料理やお片付けの先生』『整体、マッサージやネイルサロン』など、資格や自分の経験を活かしながらも他の方とはっきり差別化できていない状態で入ってこられるケースも多い。そこから半年~1年かけて、自分のやりたいことやご自身の『資産』をブレンドしてその方独自のビジネスを作って行きます。
 
 色々話すことに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、別に興味本位で根掘り葉掘り聞いているわけでなく(笑)、その方のこれまでの人生と、なぜママ大に入ろうと思ったかに向き合っているうちに、キラッと光る何かが絶対に出てきます」

実際のレッスンでもオンラインでも、衣装や背景など含め細かなところまでエンターテイメントの要素があり、結果的に子ども達が積極的に取り組むことができるというのはちひろ先生の大きな特長のひとつだと感じます。

「ちひろちゃんの場合は、エンターテイナー性やコミュニケーション能力、あとはすでにお教室というご自身のスペースを持っているなど、最初から資産が溢れているくらい!今の独自性は、やはりシンガーでエンターテイナーであるという資産を活かしたところも大きいのではないでしょうか」

「地球っ子」というコンセプトが転機に

「我が子を通わせたくなる教室」を作りたい

そんな様々な「資産」が掛け合わされ生まれたのが「地球っ子」というコンセプト。
ただ英語のスキルを上げることを目指すのではなく、楽しく学びながらこの地球で自分らしく生き生きと活躍できるような子どもを育てたいという想いが込められた言葉で、その背景にはやはり、ご自身も子育て中だからこそ強く持っている「子ども達の明るい未来に繋げたい」という想いがあります。

実は「Buzzkids Englishclub」を立ち上げた大きな理由のひとつは、我が子を通わせたい!と思える英語教室を作りたい」と考えたことだったそう。

「海外生活を経て日本に帰ってから、そしてママになってからも様々な場所で英語の先生をしてきましたが、目の前のお子さんや仕事と真剣に向き合ってきたからこそ『自分の子どもを、本当にこの場所に通わせたいだろうか』という自問を繰り返してきました、そして、そこがうまく合致しないと自分自身も気持ち良く働くことができませんでした。


 教室を立ち上げる際にも考えたのが、私はなぜ自分の子に英語を習わせたいのかということで、それは『どんなふうに育って欲しいのか』ということにも通じると思います。
 私の場合は、日本人ということは大切にしつつ、でもそれに捉われず地球を舞台に生きていける子になってほしいから、そのツールの一つとして英語を学んでほしいと考えています。ママ大の授業で改めてその自分の軸となる想いと向き合った時に出てきたのが、この『地球っ子』というコンセプトでした

世界はここだけじゃない!という視点

そんな想いのもと、海外で暮らす人や世界で活躍する方々と触れ合いコミュニケーションできるような機会を様々な形で提供しているちひろ先生。

例えば、自転車一つで地球を旅する日本人の方をゲストに招きモンテネグロと中継を結んだり、元消防士でアメリカでも技術を学び、現在は発展途上国への消防支援等を行う方に子ども達とインタビューしたり、最近では「バトルシップゲーム」という昔ながらの陣取りゲームを使って遊びながら戦争について考えるなど、視野を拡げグローバルな視点を持つきっかけを作りたいと考えています。

「世界はここだけじゃない。大人も、目の前の知っている人だけじゃなくて、世界中には面白いことやってる人がたくさんいる。世界には色々な考えがある。そんなことを楽しみながら伝えて行けたらと思っています。子どもにとって『この人みたいになりたい』という出会いは一生の宝になると思うので、このオンライン時代だからこそ作れる機会を、これからも活用していきたいと思います!


 でももともとアナログ派だったので、ママ大でオンラインについて学ばなかったら、この可能性を活かせていなかったんじゃないかな(笑)」

今の時代らしさがあり、子ども達が自然と世界に興味を持つような内容の、ちひろ先生しかできない授業。
それは「他の人と違うことをやろう」といった気持ちからではなく、ご自身から湧き上がる様々な想いが「地球っ子を育てる」というはっきりとしたコンセプトになり、それを自分の「軸」としてしっかり据えられたからこそ生み出せているのだと感じました。

ちひろ先生が体現する、今の時代に大切な力

「企画」だけはググっても出てこない

「ママ大」学長で「miraiGOALs」代表でもある近藤洋子さん(左下)×フリーランスライターでママ大OGの佐々木はる菜(上)がお届けしているインスタライブ「miraiGOALsLIVE ミライブ!」にて、ちひろわたなべ先生(右下)をインタビュー!この日のテーマは「他にはない”子ども向け英会話教室”の魅力に迫る!自分にしかできない、オリジナルビジネスの作り方って?」

オンラインやSNSが進化したからこそ、誰でもビジネスを始められるという意味ではチャンスが拡がり、その分競合も多い現代。だからこそ、自分だけのオリジナルを生み出せる「企画」が大切だと、洋子さんは話します。

「大抵のノウハウはググれば出てきてしまう時代ですが、企画やアイデアを生み出し、それを自分ならではの『資産』とかけ合わせ、自分が続けていける形でビジネスにしていくということは、正解がないからこそ難しいし、どんなに技術が進んだとしてもロボットや機械ができることじゃない。

 自分のアイデアや特長をちひろちゃんのように自分らしい形にできることは大きな強みで、これからの時代で活躍できる存在だと確信しています」

「100%準備OK」は死ぬまで来ない

そして「頭に浮かんだアイデアをGOするまでが早すぎて、いつも走りながら考えている感じ」だと自らを振り返るちひろ先生に対して洋子さんは「それも今の時代らしい」と答えます。

「以前は企画なども完璧な形まで仕上げることを良しとしていましたが、これだ変化の激しい世の中となり、アジャイルなど曖昧なファジーな状態でとりあえず動き出してみて、その中でブラッシュアップしていく方が、コストもかからないし結果パフォーマンスも上がって行くというやり方も評価されています。ママ大でも、まずやってみるということを大切にしていますが、ちひろちゃんの場合は言う前に気づいたらもう遠くまで走っていたということがほとんどでしたね(笑)」

情報に振り回されず、活用できる力

また印象的だったのが、情報が氾濫する中でそれらに振り回されるのではなく自分なりの形で活用できている姿です。

以前はSNSなどを見ても、比較し自分の足りない点を見つけては落ち込んでいた時期もあったというちひろ先生ですが、最近では他の方の活動をポジティブに受け取れるようになったと話します。

「わざわざ自分で調べなくてもSNSなどを見ているだけで様々な発見や刺激をたくさん得ることができる時代。分野が違ったとしても、このやり方素敵だな、自分だったらこうやってみようかな、このアイデアと重ねたら面白いかも…など日々ヒントをいただいています。毎日慌ただしいですが、できる限りそういった情報にもアンテナを貼っていられる自分でいたいと思っています」

その変化はやはり、自分ならではコンテンツが出来上がりつつあり「軸」がしっかりしたからこそ、ただ情報を追うのではなく自分に必要なものを見極められるようになったのだろう感心する洋子さんに、「ママ大の時は自分と向き合う中で、自分がこれからどうしたいのか、自分でわからなくて泣いていたのにね~!」とちひろ先生は笑います。

プラスの中で高めあえるからこその成長

インスタライブには今回もたくさんのコメントをいただき、中には画面から伝わるちひろ先生のお人柄に「見ていて気持ち良いくらいの明るさに元気とパワーをいただき、すぐにインスタフォローしました。ママ大って本当に温かいですね!」なんて言葉も!

「ママ大のメンバーはママ友でもないライバルでもない、また全然違った関係で、そういう仲間ってなかなか出会えない。自分と向き合うことになり苦しい時もあるけれど、いつも『あなたのここが良いよ』と丁寧に伝えていただく中で、自分には色々な『資産』があると気づかせてもらうことができました。
 一人ではモヤモヤしてばかりだったけれど、褒められると子どもと一緒で伸びるし、やっぱり頑張ろう!と思える。そして誰かが困っていたら助け合い、お互いの活躍を素直に喜びあえる。今でも、ママ大で学んだあの時間が宝物だし、仲間って本当に大事だなぁと感じます」

ちひろ先生は、この記事が公開となる2022年4月時点では一番新しい卒業生。そして実は筆者も同期ということもあり、ママ大は本当に「学校のような場所」だという話で盛り上がりました。ただハウツーを教えるだけではなく、それぞれの個性がぶつかり合う中で磨かれ、卒業しても様々な形で交流と応援が続く、前向きなパワーに溢れる「大人になってから通う学校」。最後に洋子さんまで、「私も、ママ大に生徒として入りたくなっちゃった(笑)」と呟いていました。

今の時代大切だとされている「個性」や「自分らしさ」ですが、自分の良さは自分ではわからないことも多い。だからこそ自分を安心してさらけ出すことができ、それを受け止め一緒に「自分の資産」を見つけ、導いてくれる存在の大切さを改めて実感しました。

ママ大で学び見つけたことを、まさに今、ご自身のビジネスで実践しながら試行錯誤しているリアルな様子を伺えたことが、とても印象的なインタビューでした。

すでに海外の子ども達にオンラインで日本語を教える活動などもされているちひろ先生。
子ども達と共に世界に羽ばたいていけそうな、今後の更なる活躍が楽しみです!

このインタビュー&記事を書いたのは

ライター 佐々木はる菜(ママ大14期生)

株式会社リクルートを経て、結婚・出産を機にライターへ。現在は、月間PVが2000万を超える人気女性誌のwebサイト『LEEweb』でコラムを連載、主にママ世代に向け国内外のトレンド、商品・サービスや社会的な取り組みなどを幅広く執筆している。子育て中の視点を活かした取材によるリアルな体験記事が得意で、2人の子どもを連れて海外取材を行った経験も。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信をライフワークとしており、ママ起業家のインタビュー記事連載や駐在妻への情報発信、教育やフェムテック分野の記事執筆も精力的に行っている。

■ライター佐々木はる菜ホームページはコチラから!

◆「miraiGOALsLIVE ミライブ!」って?
SDGs時代、益々注目される個性豊かなマイクロ起業家という存在。 中でも大きな変化を遂げる「女性」の生き方、働き方にフォーカスをあて、 時代の変化やトレンド、そして生き方など、 時にゲストと共に「未来のゴール」を探る30分間のLIVE番組。 「ママ大」学長で「miraiGOALs」代表でもある近藤洋子さんとフリーランスライターでママ大OGの佐々木はる菜が、隔週木曜日の朝9時半からお届けしています。
Instagramアカウント halna212

子育て中のママだからこそ実現できた起業アイデアとは?唯一無二の英会話教室/Buzzkids Englishclub代表・ちひろわたなべ先生” に対して1件のコメントがあります。

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