フリーランスライターで、日本ママ起業家大学(通称:ママ大)アンバサダーの佐々木はる菜です。

特にこの数年、誰もが感じているであろう、大きな時代の変化。

その気になれば家のリビングから世界中とつながることができ、スマホひとつあればスターになれるチャンスだってある世の中。
一方、生き方も働き方もまさに多様化しているからこそ、自分がこれからどんな人生を歩んで行きたいか、混乱している方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回はママ大学長・近藤洋子さんにインタビュー!
場所や時間に縛られないフレキシブルな働き方が広く受け入れられるようになった今だからこそ知りたい、2013年という約10年も前にママ達の起業支援を始めた理由。 そして時代が追いついてきた今、「ママ大」を通して何を目指し実現していきたいか、これからの未来を幸せに生きていくヒントを伺っていきます!

近藤洋子/FMラジオのDJ、テレビ通販、オンライン番組の企画制作、喋りのキャリアは約20年。2013年には日本ママ起業家大学を設立。「売り上げ」が唯一のゴールではなく、「幸福」をゴールとした起業を目指し、延べ1,000人以上の女性起業家たちのコンサルに携わる。2017年〜中小機構ビジネストの起業アドバイザー、中小企業庁主催のビジネスプランコンテストでは審査員を歴任。
座右の銘は、「迷ったら面白い方へ」

明治維新並みの変化!今は時代の節目

「サラリーマン」で「フリーランス」も当たり前?!

「ママ大」学長で「miraiGOALs」代表でもある近藤洋子さん(下)×フリーランスライターでママ大OGの佐々木はる菜(上)が隔週でお届けしているインスタライブ「miraiGOALsLIVE ミライブ!」にてインタビュー!

1月末から「マイ・ディア・ビジネス・コース」という新たなカリキュラムが始まるというママ大ですが、今回そこに集まった半数以上は「雇用されながら起業を目指す」という方だったそう。

洋子さん曰く3~4年前からそんな傾向はあったそうですが、インスタライブ中にも視聴者の方から「一昔前は、仕事も家庭も両方取りたいなんて贅沢!と見られがちでしたが、今やそんなことを言う人はいなくなり、サラリーマンもフリーランスや起業も、やりたいと思えばどちらもできる時代になった」というコメントをいただいた通り、時代の変化を象徴する出来事でもあり、何かを得るためには何かを犠牲にしなければという考えが変わりつつあると感じます。

「今すぐ起業する方、まずは準備をしつつ両立させながら走って行く方と進め方は様々ですが、皆さんがそれぞれ『女性の生き方をより良くしたい』という想いをもと『起業』と向き合われていることも印象的でした。かつては、『起業』のサクセスストーリーと言えば、売上をどんどん拡大し大企業と肩を並べるような影響力を持つこと!みたいな価値観がありましたが、今はそれが変わってきています。  
 
 もちろん売上を立てビジネスを続けていく上でとても大切ですが、世界を席巻するような起業じゃなくても、自分や身の周りの方を幸せにすることで感謝され、自分自身が満足できる人生を歩んで行くといった規模感の仕事をしたいと考える方が増えてきたと感じています。」

国もびっくり!「起業」の捉え方も変わっている

またコロナ禍で支給された様々な補助金がきっかけで、国や行政が考えていた「起業・創業」や「フリーランス」の在り方も大きく変化。

「これまで創業支援補助金で使えるのは、事務所の家賃、コピー機のリース代、雇用などの運転資金でしたが、今起業するとしたら、それらはほとんど必要なく、とりあえずWi-Fiとパソコンさえあればいける(笑) そして補助金にエントリーしてきた方も、蓋をあけてみると国が考えていた中小企業などだけではなく、半分以上がフリーランスだったそう。きっと『フリーランスっててこんなにいるんだ…』と実感しびっくりされたんじゃないかな(笑)」

結果的にフリーランス向けの法整備も進むなど社会的な動きにも繋がっているというお話も印象的でした。

一気に進んだ「オンライン化」は、まるで明治維新のような変化感!

この数年の変化は、ある側面では幕末から明治維新並みのインパクトがあったのではと話す洋子さん。

「例えば昨日は育休中のママ達が集うコミュニティのオンラインイベントで50人以上の方を前にお話させていただいたのですが、私が赤ちゃんを育てていた10数年前はオンラインなどはほとんどなく、今みたいに産後すぐ社会と繋がることはできず、まるで幽閉されているような気持ちでした(笑)  
 
 オンライン化によって、その気になれば家のリビングから世界中と繋がり、様々な事を学ぶことができ、どんな小さな存在でもスマホひとつあれば世界中に発信して、そこからスターになれるようなチャンスが平等に与えられてる世の中。 例えばママ達のような、これまでは自由に動けなかった『社会的マイノリティ』と言われるような方々を含め、住む場所や年齢や時間といった既存の制限に捉われることなく、様々な方がスポットライト浴びられるようになりましたよね。」

確かに、個人から企業や学校、子どもから大人まで、この変化をうまく受け入れ活用していけるかどうかは、今後大きな差となって現れていくのではないかと感じます。 私の周りでも、この変化を機にずっと夢見ていた地方移住や転職に踏み切るなど生き方を大きく変え更に輝かれている方がたくさんいます。

一方で自分も含め、仕事や子育て、教育など様々な面での劇的な変化に追いつけず、混乱している部分もあると思っています。

なぜ10年も前に、ママ向けの起業塾をスタートさせたの?

200社落ち!ママの社会復帰の大変さ

この数年、さらにコロナ禍を経てで社会も価値観も大きく変化し、家族など暮らしとのバランスや、売り上げの多さだけではなく仕事を通して周りを幸せにできるかなど「生き方」そのものが重要視されるようになってきました。

でもママ大をスタートさせた2013年頃、私自身も赤ちゃんを抱えつつライターをほそぼそと続けていましたが、フリーランスに対するイメージも今とはだいぶ異なっていた事をよく覚えています。 洋子さん自身もずっとラジオDJとしてフリーランスで活躍され、番組作りにも携わってきていました。 その頃、ちょうどお子さんの妊娠を始めプライベートで様々な大変な状況が重なった頃、一度は会社勤めを志し200社エントリーするも、ほとんど全て落ちてしまったといいます。

「赤ちゃんがいるから、夕方4時頃には終わって週3日くらい休みがあって、お給料はこれくらい…などと考えていると本当に仕事は驚くほどなかった(笑)ママが社会復帰するってこんなにも大変なんだと実感しました。」

「自分の看板で生きる」女性たち

そんな中で出会ったのが、例えば英語教室やパン教室など自分の特技を活かして仕事をし、でも子ども達が家に帰ってくる頃には「おかえり!」と家で迎える…そんなママたちでした。

自分の看板で生きている女性たちは今でこそたくさんいらっしゃいますが、当時はまだ少なく、生き生きと仕事をされる姿を含めライフスタイルそのものに興味を惹かれました。その後DJとして復帰できた時に、そのママたちを300人くらい数珠繋ぎでインタビューする企画を続けたんです。  
 
 もともと私はずっと番組作りをやっていたので、『コンテンツは良いけれど、ブランディングやマーケティングをもっとこうしてみては。発信の仕方がちょっともったいない』など取材する中で感じたことを頼まれてもないのにアドバイスしていたんです(笑)それが反響をいただき、ママ大の形に繋がっていきました。」

番組に、いかに興味を持ってもらい相手に想いを伝えていくか。 そして、自分の看板で仕事をして行こうという方たちの魅力をどう伝え、どう表現していくか。

番組作りも、人・モノ・お店とビジネスの育て方も同じで、大切なのは「どういう方に、どういう変化を与えたいか」というコンセプトを作っていくこと。だから面白いと感じたそうです。

やっと時代が追いついた?「仕事も家族もどっちも大事」

洋子さんがママ大を発足させた当時はアベノミクス真っ只中という時代。 ちょうど世を挙げて「女性活躍推進」が掲げられた時期だったこともあり、ママの起業支援は好意的に受け入れられたそうですが、その一方で「大勢の生徒を集め、起業したビジネスも大きな売り上げを望める事業にしないと意味がない」など、スケールや規模ばかりを求められがち。 「あなたの言っていることはわかるけど、ファンシーよね」など現実的でない、甘いなどと言われることも少なくなかったと話します。

「でも私は拳を上げて『起業しようぜ!』などと思っていたわけではなくて(笑) 自分がそれまで生きてきた経験の中で、雇用されるのではなく起業というか『自分の看板で生きる』ことは、特に女性やママにとっては色々な意味で納得性も高く合理的かな?と自然に考えたんです。 だから、当時社会から求められたような、いわゆる『男性と肩を並べる強い女たちを生み出せ』とか、もっと早く!効率良く!売上を上げろ!といった考えは、自分たちには合わないと感じました。  

 もちろん
続けていくために売上は大事なので、我々ならではの、仕事も家族もやりがいもお金もどれも諦めずに確立していく…そんな姿を粛々と目指してきました。

「マイクロ起業家」には、SDGs社会を幸せに生きるヒントが

昔ながらの商店街のお店みたいな「起業」

ママ大の卒業生でもある私が好きな言葉に、洋子さんが生み出した「マイクロ起業家」があります。

「昔ながらの商店街になくてはならない、地域の方から愛される商店みたいな起業やフリーランス。自分の周りの方々に良いモノや想いを返しながら、自分たちの暮らしに必要な稼ぎを得て、自分の好きな仕事を続けていく…。  
 そんな、自分と自分の身近な人を幸せにするライフスタイルで生きる「マイクロ起業家」が増えていくことが、これからのSDGs社会や未来にとって大切ではないか。」

もちろんそれだけが正解というわけではなく、でも私は、とても幸せな生き方のひとつだと確信しています。

ママ大の卒業生だけでなく、洋子さんが毎週月~水の朝ライブ配信しているオンライン番組「GOOD MORNING MIRAI」にも、そんな魅力的な起業家の方々がゲストとしてたくさん登場されています!

仕事って「自己表現」

「起業」を切り口にたくさんの方々の生き方と向き合う中で洋子さんが感じるのが、仕事は自己表現だということ。 時代が大きく変わる中で、今までのやり方を変えた方がいいよね!という違和感や、もっとこうなったらいいのにという実現したい未来や考え方を、「ビジネス」という形で表現している方がどんどん増えていると話します。

「ママ大は特に派手さもない小さな存在ですが(笑)、そこに共感してくださる方の共通点のひとつは『未来を良くするための種まきをしたい』という想いがあること。若い頃はフラフラ生きていた私ですが、子育てを通して年を重ねるごとに『青い地球は青いままでバトンしたい』みたいな想いが湧いてきます。それってやはり親やママという存在の特性のひとつで、自分なりの未来への種まきが仕事という自己表現になっているのかなと。  
 
 だからこそ、それを幸せに続けるためには必要な売上も絶対に上げていかなければならない。なんとなくではなく、ビジネスのノウハウも学びつつ計画や目標を立て、そこに向かってコツコツやっていくことが大切だと考えています。」

お金でも学歴でもない!今の時代を幸せに生きる人が持つものとは

「起業」を当たり前の選択肢のひとつに

そうやって10年続けてきた結果、「仕事か家庭か」に表されるような考えではなく、人生まるごとバランスさせていく生き方が肯定的に受け入れられる時代となりました。 そんな今、これからママ大を通して何を目指し、どんなことを実現していきたいかという問いに「起業を自然な選択肢のひとつにしたい」と答えた洋子さん。

「私は自分自身に対して本当に色々と問題がある人間だと感じています(笑)たまたまフリーランスでラジオの仕事を続けることができ、仕事柄か周りには個性的な人も多かったこともあり、ありがたいことに自分らしく生きてくることができたけれど、自分の人生や子育てを通して強く感じるのが、世の中そんなにすごい人ばかりじゃないし、でこぼこがあって当たり前ではないかということ。  

 だからこそ
教育や就職などこれまで普通とされてきた道に合わせるだけではなく、自分の娘も含めてそれぞれの方が自分の特性を活かして当たり前に活躍し、幸せに生きられる世の中にしていきたいという突き動かされるような想いがあります。」

もし今の就職活動のように「マイクロ起業」という選択がスッと入ってきて選べるような教育や社会があれば、例えばこれまでは社会的マイノリティと言われていたような存在でも、ちゃんと自分の足で立って自分の生きたい人生を楽しめるのではないか…  

そんなふうに当たり前の選択肢のひとつとして「起業」がある、そんな世の中を目指したいと考えるようになったと話す洋子さん。幸せに生きるために大切なのは「自走できること」と続けます。

幸せの秘訣、「オートノミー」って何?

『幸福度が高いのは、学歴や収入よりも自己決定する力がある人だ』という、神戸大学が2万人の方に行った調査結果があるのですが、幸せに生きて行くために不可欠なのが、自分で自分の人生を決めているという感覚。それを『オートノミー』といい、私はよく『自走している感覚』と話しています。  
 
 タクシーで目的地に行く方が楽かもしれないけれど、自分でハンドルを握り、地図を見て、途中道に迷い、そして景色を堪能しながら、いや~やっと着いたよ!という方が、達成感も満足感あり、それが喜びにつながって行く…そういう生き方をこれからもハラハラひやひやだけど続けていきたいですし(笑)、自分自身だけでなく未来を担う子ども達にもその楽しさを伝えていけたらと思っています。映画や小説も結末がわかっているものを観ても楽しくないし、人生だって予定調和でな方が面白いはず!」

先が見えづらく、「正解がない時代」なんて言われる世の中ですが、強い想いさえあれば何でもできるし、どことでも繋がることのできるようになりました。
そんな時代を幸せに生きるには、まず自分が突き動かされるような想いを見つけること。
そしてそのためにも、心と体は繋がっているからこそ、働き方も含めて自分が良い状態でいられるような生き方を探していく姿勢が大切。
また大人も子どもも、自分は持っていない、自分の中の枠を外すような多様な人との出会いや関わりが大切なのではないか…そんな言葉も印象的でした。

自分で考え決断しながら生きていくためには「自分の軸を持ち、それ整えておくこと」が重要だと、私自身も最近強く感じています。卒業生の私にとってママ大は、自分が大切したいことは何かという「軸」を整えに来る場所でもあります。

かつては一部の限られた方だけのものだった「起業」という道。 想いさえあれば誰にでもその扉が開かれる時代は、もうすぐそこまで来ているに違いありません!

このインタビュー&記事を書いたのは ライター 佐々木はる菜(ママ大14期生)

株式会社リクルートを経て、結婚・出産を機にライターへ。現在は、月間PVが2000万を超える人気女性誌のwebサイト『LEEweb』でコラムを連載、主にママ世代に向け国内外のトレンド、商品・サービスや社会的な取り組みなどを幅広く執筆している。子育て中の視点を活かした取材によるリアルな体験記事が得意で、2人の子どもを連れて海外取材を行った経験も。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信をライフワークとしており、ママ起業家のインタビュー記事連載や駐在妻への情報発信、教育やフェムテック分野の記事執筆も精力的に行っている。

ライター佐々木はる菜ホームページはコチラから!

◆「miraiGOALsLIVE ミライブ!」って?

SDGs時代、益々注目される個性豊かなマイクロ起業家という存在。 中でも大きな変化を遂げる「女性」の生き方、働き方にフォーカスをあて、 時代の変化やトレンド、そして生き方など、 時にゲストと共に「未来のゴール」を探る30分間のLIVE番組。 「ママ大」学長で「miraiGOALs」代表でもある近藤洋子さんとフリーランスライターでママ大OGの佐々木はる菜が、隔週木曜日の朝9時半からお届けしています。

10年前、200社落ちた私が気づいた「ママ×起業」の魅力を、未来に” に対して1件のコメントがあります。

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