フリーランスライターで、日本ママ起業家大学(通称:ママ大)アンバサダーの佐々木はる菜です。 今回インタビューゲストとしてお招きしたのは、業界初のゼロ歳から参加できる「ママ・赤ちゃん留学」や、小中学生のための国内短期留学プログラム「ジュニアビジネスキャンプ」など、魅力的な事業を次々と形にされているHANA’SACADEMIA(ハナサカデミア)代表の近藤英恵さん!

ママ、子育て、教育等の問題に熱い想いを持ち、ご自身の描く未来を素晴らしい取り組みとして実現し続けている、その原動力についてお伺いしました。

7歳・2歳のお子さんと4年間フィリピン教育移住

7歳・2歳のお子さんと4年間フィリピン教育移住

ご自身も世界16カ国滞在・6カ国留学、そしてママとなった後は母子で4年間、フィリピンのセブ島へ教育移住。子連れ住み込みで現地就職した学校勤務を経て、新しい語学学校を設立し、校長として学校を運営されていました。

そして帰国後は業界初の0歳から行ける親子留学事業「ママ・赤ちゃん留学」を立ち上げ、国内外で延べ3000人以上の留学をサポートし、ライブ冒頭でも「海外留学事業は、私の天職です!」と楽しそうに言い切っていた英恵さん。

「ママ・赤ちゃん留学」については、数年前に私も自分の子ども達を連れて海外取材させていただきました。体験取材と記事執筆を通して、そのプログラムの素晴らしさや、参加した親子の満足度の高さを強く実感しています。

【フィリピン セブ島・親子留学体験記 1】親子留学するメリットって? | LEE

LEE3月号特集『英語学習は“早い方がいい”は本当? 子どもが英語を好きになる方法』にルポが掲載れていますが、このたび、7歳4歳兄妹と共にフィリピンのセブ島へ親

2019年12月に、当時7歳と4歳だった兄妹を連れて海外取材!LEE本誌&web記事3本でじっくりレポートさせていただきました。

その全身全霊で取り組んでいた海外留学事業がコロナ禍で閉ざされてしまった現在は、英恵さん自身が息子さんの起業を支えたご経験も活かし、ビジネスに特化した国内留学事業を展開されています。

「ママ大」学長で「miraiGOALs」代表でもある近藤洋子さん(左下)×フリーランスライターでママ大OGの佐々木はる菜(上)が隔週でお届けしているインスタライブ「miraiGOALsLIVE ミライブ!」にて、近藤英恵さん(右下)をインタビュー!

「自分で困難に打ち勝てる力」をつけて欲しい

いくらご自身が海外経験豊富とはいえ、幼い我が子を連れての海外移住という大きな決断ができたのはなぜかという問いかけに、英恵さんは「生きる力を鍛え、自分自身で困難に打ち勝つ力を身に着けて欲しかったから」と答えます。

「大きなきっかけとなったのが、その頃、長男に重い視覚障害が発覚したことでした。常に分厚い眼鏡と眼帯を付ける必要があり、公園など行く先々でからかわれたり仲間外れにされたりすることが続き、さらに当時は完治しないと言われていました。 今はまだ私が守ることができるけれど、これから小中高と大きくなっていくといずれ一人で立ち向かわなければいけなくなる。親には防ぎきれない大きな壁が立ちはだかった時に、逃げずに自分自身の力で乗り越え、どんな変化にも打ち勝てる強いマインドを身につけて欲しいと思い、それには私が海外で得てきたような経験が必ず役に立つと考えました。」

業界初!「ゼロ歳から行ける留学」の原点とは

英恵さんが当時7歳と2歳だったお子さんたちと共に初めてセブ島を訪れた2012年は、まだ小さな子どもと共に親子留学するようなプログラムはなかった時代です。

乳幼児を受け入れてくれるよう語学学校と交渉し、当初は2歳児を抱っこしながら授業に参加。そしてシッターさんを面接・採用・トレーニングも行うなど全てを自分で調べ、手配されたといいます。

実際に私がセブ島で英恵さんのプログラムを経験し強く印象に残っていることのひとつが、各家庭に専属で派遣される「Kaseifu-san(家政婦さん)」の存在。

朝から夕方まで子ども達の英語保育を行いながら掃除・洗濯・料理などの家事もこなしてサポートしてくれるため、私たちママは勉強など自分のことに集中でき、子どもたちは英語のレッスン以外の日常生活や放課後の時間もずっと、英語を聞き話す環境にいることができました。

英恵さん自身が「小さな子どもを連れての親子留学」という道を切り拓いてこられたパイオニアだからこそ、ママとお子さん両方に寄り添った内容が魅力の「ママ・赤ちゃん留学」という画期的な事業を創り出すことができたのだと、改めて実感しました。

息子さんは中2で起業し大活躍中!

「マイノリティ体験」こそ日本人に大切?!

10年前のフィリピンは今ほどインフラも整っておらず、停電や断水は当たり前、「ネットも繋がればラッキー!くらいのかんじ」だったそうで、衛生面や食べ物、治安など含め日本で言う「当たり前」や常識が通じない状況。さらに外国人として住まわせてもらっている立場で、いわば完全なる「マイノリティ」な存在だったといいますが、それこそがとても良い経験で、今に活きていると話します。

「まず、自分たちの『常識』が破壊されます(笑) でも、それって日本人には必要な経験だと思うんです。私たちは単一民族、単一言語で、前提として持っている知識や文化が同じで当たり前、だから、みんなと同じであることが安心に繋がりやすいところがあると感じます。

 私はもちろん日本が大好きで素晴らしい国だと思っていますが、息子の障害のこともあり、『人と違う』と排除する傾向があるなどの厳しい反応を身をもって体感してきました。 海外へ行くと『日本の当たり前は当たり前でない』と身をもって感じ、広い世界を見ることで、選択肢も正解も実はたくさんあり、自分に大きな可能性を信じられるようになると確信しています。そしてたくさんの文化、宗教や考え方があり、みんな違うことが当たり前で、だからこそ違いを認め合おうよという考えに繋がると思います。」

チャレンジ精神や広い視野を持つきっかけに

高校生クリエイターとして、メディアでも大活躍のコンドウハルキさん。

語学力だけではなく、そうやって海外でサバイバルしながら自ら道を開拓してきたという経験が、親子共にチャレンジ精神を育み視野を広げることに繋がったといいます。 長男である、高校生クリエイター・コンドウハルキさんは帰国後、自らの意志で中学2年生の時に起業。

「僕はもしフィリピンに行ってなかったら、起業もしていなかっただろうし、今の生活は考えられない。あの経験は本当に宝物だ」 

という言葉は英恵さん自身にとっても宝物だといいます。

おふたりからいつも伝わってくるのが、「どう転んでもこの方たちは大丈夫!」だという自分の軸や生きる力。

失敗を恐れずに人と違う挑戦ができ、自分で自分の人生を切り拓いていくマインドと力を、親子で協力し合いながら身に着けた4年間でもあったのだと感じました。

子どもが「留学したい」と言い出した時にするべきこととは?

ライブ中に「最近、留学したいと子ども自身が言い出しましたが、まず何にどこに手を付ければいいでしょうか?」というご質問をいただきました。

留学は手段に過ぎないので、お子さんが何を求めているのかを親子で一緒に考え、深堀りしていくことがとても大切です。留学したいということは、何かしらの情報を見て興味を持って言っているはず。そのポイントに親が興味を持って、引き出してあげながら、どうなりたいかを親子で一緒に考える機会を持つと良いと思います。

極端な例ですが、例えば男の子で『金髪美女にモテてみたい』という方もいて、もちろんそれも立派な動機(笑)。留学が目的になってしまわないように、その先でどんな自分になりたいのか、何を成し遂げたいのか、何を学びたいのか…それが親子でちゃんと理解できていると、その目的を達成するためにはこの地域、この学校がいいよね、といったように明確化していくことができます。」

留学前のそんな時間も、親子にとって貴重な機会になりそうです。

語学力だけじゃない!英恵さんならではの「国内留学」プログラム

「自分の夢がわからない」という悩みの多さ

英恵さんは長らく留学業界で活躍し、特に親子留学やジュニア留学が専門で教育業にも携わられてきたからこそ、たくさんのお子さんやママ達と関わってきました。
そして留学を前にこれまでや今後についてじっくりお話をする中で非常に多かったのが「自分の人生の夢や目的がわからない」「自分探しをしにきました」という言葉だったといいます。

「どうしてそういう悩みを持つ方が多いのか真剣に向き合ううちに、その原点は教育にあるのではないかと考えるようになりました。
じゃあフィリピンやアメリカの教育が絶対的に良いのかというとそうではなく、日本以外の国で様々なバックグラウンドの方と交わるうちに確実に視野が拡がり、日本含めたそれぞれの国に良い点と悪い点があると体感し、本当の意味で理解する方が多い。するとそれまでと視点が変わり、人生そのものが変化していく…たくさんの生徒さんサポートする中で、そのことを肌で感じ、より自分らしい道を歩んで行かれる方々を目の当たりにしてきました。

『留学』を通して、目の前の方の人生そのものや自己実現のお手伝いをしていきたい。

そういう思いで、ずっと『ママ・赤ちゃん留学』という親子留学事業を一所懸命やってきました。」

コロナ禍で改めて向き合った「留学」の価値

その熱い想いを持っていた仕事がコロナ禍で叶わなくなってしまったからこそ、この約2年は「今、自分にできることはなんなのか?」という大きな課題と必死に向き合った期間でした。

海外への道を閉ざしたコロナ禍は、同時にオンライン化を加速させ、例えば単純に英語力の獲得だけであれば、正直なところオンライン英会話でも充分な時代。

そこで「留学」の価値を改めて考えた時に英恵さんが行きついたのは、やはり「感動体験」の一言に尽きるということでした。

これまでの「留学」の形でしか、自己実現のお手伝いができないわけではない。

海外でも国内でも、目の前に自分と全く違う価値観が現れ、それを肌で感じ、視野が拡がり、その中で人間として成長ができる経験…「ジュニアビジネスキャンプ」は、そんな体験を目指し試行錯誤されたプログラムが詰まっているといいます。

英恵さんだからこそ実現できる、他にはない魅力とは?

「ただ語学習得だけが目的だと、自分のこれまでの想いとは少し違うし魅力に欠ける。実際に企画する中でさらに考え抜いたのが、私にしかできない他との差別化のポイントは何かということでした。」

そして辿り着いたもうひとつの強みが、息子さんの起業をずっとサポートしてきた経験です。国内留学、その中でもビジネスに特化したプログラムを目指し、グローバルな視野を磨ける内容に加え、起業やビジネススキルついて学ぶことができます。

「今や小・中学生でも起業ができる時代。まず、それが可能になった時代だと知ってもらい広めていくこと。そしてキャンプでの体験や学びを通して、実際に一歩踏み出してもらうまでのお手伝いができればと思っています」

ライブ中、小学校5年生の息子さんがいらっしゃるという方から「社長になりたいと言いながらも、手段がわからない子どもが増えていると感じます。その感覚自体が時代の変化でもあり、まさに今求められている分野だと感じ、ワクワクします!」という実感のこもったお言葉をいただきました。

昨年3回開催し大盛況のうちに幕を閉じた「ジュニアビジネスキャンプ」、今年は8月に開催予定だそうです!

子どもとママの「生きる力」を育みたい!

バイタリティに溢れ活躍を続ける姿はきらきらと輝いて見えますが、私が英恵さんに惹かれる大きな理由のひとつは、ご活躍の根底には常に「日本のママ達に寄り添う温かな想い」があること。

「ひとりでも多くの孤独育児中のママたちと繋がり、ママにとっても『自らの夢を諦めずに挑戦し続けられる社会』の実現を目指して突っ走る2児の母。」

という言葉を、スローガンとしても掲げられています。

お子さん2人を連れて海外移住してしまうパワフルさの背景には、「一人目産後はワンオペ育児が続き追い詰められ産後ウツにもなった」というご経験もあり、孤独育児の辛さもよくわかっているからこそ、ママ向けのコミュニティ運営なども積極的に行ってきました。

仕事は「自己表現」

私が英恵さんのご活躍から目を離せないのは、今まで積み重ねてこられた人生と、それらを通じて得た熱い想いそのものが、英恵さんにしかできないビジネスとして形になっているからだと思います。

これだけ情熱を傾けられている「留学」も「起業」も、良い意味でそこをゴールにしてるのではなく、あくまで英恵さんが目指したい未来を実現するための「手段」に過ぎない。

英恵さん自身の生き方が、その時々のお仕事に反映されており、「仕事は自己表現」という言葉をまさに体現されている存在だからこそ、私を含めたくさんの方が英恵さんから力をもらっているのだと感じます。

「留学と同じく『起業』も手段に過ぎないと考えています。ただ、実際に起業するしないに関わらず、例えばコミュニケーション能力や初動性など、起業家になるためのスキル自体がイコール生きる力になる。たとえ起業せず就職したり他の道を選んだりするにしても、これらの力は子ども達の明るい未来に絶対必要で役に立つと確信しています。

だからこそ、起業を学ぶことを通して、子ども達の生きる力をガッツリ育みたい!

そしてそれはママ達にも言えることで、お母さんたちの生きる力も、子どもと一緒にみんなで育んでいこうよ!みんなでアップデートして行こう!そんな想いで走り続けています。」

自分だからこそ持てる熱い想いを、「起業」を通して形にする。

これからの時代に求められる新たなロールモデルとしても、これからの英恵さんの活躍が楽しみでなりません。

このインタビュー&記事を書いたのは

ライター 佐々木はる菜(ママ大14期生)

株式会社リクルートを経て、結婚・出産を機にライターへ。現在は、月間PVが2000万を超える人気女性誌のwebサイト『LEEweb』でコラムを連載、主にママ世代に向け国内外のトレンド、商品・サービスや社会的な取り組みなどを幅広く執筆している。子育て中の視点を活かした取材によるリアルな体験記事が得意で、2人の子どもを連れて海外取材を行った経験も。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信をライフワークとしており、ママ起業家のインタビュー記事連載や駐在妻への情報発信、教育やフェムテック分野の記事執筆も精力的に行っている。

■ライター佐々木はる菜ホームページはコチラから!

◆「miraiGOALsLIVE ミライブ!」って?
SDGs時代、益々注目される個性豊かなマイクロ起業家という存在。 中でも大きな変化を遂げる「女性」の生き方、働き方にフォーカスをあて、 時代の変化やトレンド、そして生き方など、 時にゲストと共に「未来のゴール」を探る30分間のLIVE番組。 「ママ大」学長で「miraiGOALs」代表でもある近藤洋子さんとフリーランスライターでママ大OGの佐々木はる菜が、隔週木曜日の朝9時半からお届けしています。
Instagramアカウント halna212

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